ビジネスローンは、銀行融資と比べると比較的柔軟な審査が行われます。ただ、審査が非常に甘いという商品はありません。

比較的申し込みやすいと言われる商品であっても、事業や借入れの状況によっては審査に通らないことがあります。

特に、個人事業主を対象としたビジネスローンは、法人向けほど数が多くありません。

一社に断られてから別の会社を探しても、申し込める商品は少ないです。そのため、事前に審査基準や必要書類、利用する際の注意点を確認しておきましょう。

今回は、個人事業主の方向けに審査が甘いビジネスローンについて見ていきます。

個人事業主向けの審査が甘いビジネスローン5選

個人事業主が利用できるビジネスローンのうち、比較的柔軟な審査が期待できる商品をご紹介します。

個人事業主向けの商品は法人向けほど多くないため、金利や借入限度額だけでなく、申込条件や必要書類、資金使途なども慎重に確認しましょう。

なお、審査が極端に甘いビジネスローンはありません。

ここでは、個人事業主を明確に対象としている商品や、独自の基準で審査を行っている商品を中心に見ていきます。

MRF

商品の例オーダーメイドプラン
借入限度額50万円~3億円
金利6.00%~15.00%
必要書類の例本人確認書類・確定申告書

MRFは、法人や個人事業主を対象に、事業者向けのビジネスローンを提供している会社です。融資残高は400億円の実績。個人事業主の資金調達も積極的にサポートしています。

申込み後は担当者がつきます。対面で事業の状況や資金の使い道について相談できます。

オンラインだけで手続きを進めることに不安がある方や、どの商品が自分に合っているか分からない方にも利用しやすいでしょう。

長期間元金据置プラン、オーダーメイドプラン、短期のつなぎ資金に対応するブリッジプランなど、複数の商品が用意されています。

銀行融資を断られた場合や審査に不安がある場合も、まずは現在の状況を伝えて相談してみるとよいでしょう。

AGビジネスサポート

商品の例事業者向けビジネスローン
借入限度額50万円~1,000万円
金利3.10%~18.0%
必要書類の例本人確認書類・確定申告書・所定の事業内容確認書

AGビジネスサポートは、アイフルグループの事業者向け金融会社です。累計15万口座以上の取引実績があり、法人だけでなく個人事業主も融資対象です。

事業者向けビジネスローンの融資額は50万円から1,000万円。金利は年3.1%~18.0%です。

無担保で原則保証人も不要なため、急な運転資金や一時的なつなぎ資金を調達したい個人事業主にも向いています。

審査が極端に甘いわけではなく、確定申告書や事業内容、返済能力などが確認されます。

ただし、個人事業主の利用実績が豊富なため、申し込んでみる価値があるでしょう。

プロミス

商品の例フリーキャッシング自営者カードローン
借入限度額最大800万円最大300万円
金利年2.5%~18.0%年6.3%~17.8%
必要書類の例本人確認書類、条件により収入証明書類本人確認書類、収入証明書類、事業実態を確認できる書類

プロミスには、個人事業主を対象とした「自営者カードローン」と、一般的な個人向けの「フリーキャッシング」があります。

事業の運転資金や仕入れ代金、設備費などに利用する場合は、事業資金に対応した自営者カードローンが対象となります。一方、生活費や個人的な支払いに利用する場合は、フリーキャッシングを検討しましょう。

それぞれ借入限度額や金利、必要書類が異なるため、資金の使用目的に合わせて適切な商品を選びましょう。

PayPay銀行ビジネスローン

商品の例ビジネスローン(個人事業主向け)
借入限度額10万円~1,000万円
金利2.2%~14.0%(変動金利)
必要書類の例審査申込み時は原則不要

PayPay銀行ビジネスローンは、個人事業主が利用できるネット銀行の事業者向けローンです。

借入限度額は10万円から1,000万円、金利は年2.2~14.0%です。開業したばかりの個人事業主も申し込めます。

審査申込み時の書類提出は原則不要です。

申込フォームに入力した売上や業歴、借入状況などの情報に加えて、申込者本人の信用情報などをもとに審査が行われます。

申込内容だけでは判断できない場合は、確定申告書や事業実態を確認できる資料の提出を求められることがあります。

ネット銀行ならではの独自基準で審査されるため、従来の銀行融資とは異なる柔軟な審査が期待できます。

ただし、契約にはPayPay銀行の個人事業主向けビジネス口座が必要です。手軽に少額の事業資金を調達したい場合に、候補となるビジネスローンでしょう。

dスマホローン BUSINESS

商品の例完済型
借入限度額10万円~1,000万円
金利2.8%~13.8%
必要書類の例本人確認書類、確定申告書など、経営状況申告書

dスマホローン BUSINESSは、株式会社ドコモ・ファイナンスが提供する、法人経営者・個人事業主向けのビジネスローンです。

10万円から最大1,000万円まで対応しています。少額の事業資金を借りたい個人事業主にも利用しやすいでしょう。

完済型は、必要な資金を一度に借り、その後は決められた計画に沿って返済していく商品です。追加の借入れを行わないため、借入残高を管理しやすく、計画的に返済したい方に向いています。

申込みから契約までWebで完結し、カードの発行や原則として郵送物もありません。

審査は最短60分。条件が整えば最短即日の借入れも可能です。

ただし、最短時間は保証されておらず、申込時間や審査状況によって翌日以降になる場合があります。

完済型の金利は年2.8~13.8%、借入限度額は10万円~1,000万円です。

担保や保証人は必要ありません。

本人確認書類や確定申告書などの提出は必要ですが、Web上で手続きを進められるため、来店する時間がない個人事業主にも使いやすいサービスです。

個人事業主向けビジネスローンの審査とは?

まずは、個人事業主向けビジネスローンの審査基準や特徴を確認しておきましょう。

あらかじめ理解しておくことで、今ビジネスローンを利用すべきか、ほかの資金調達方法を選ぶべきか判断しやすくなります。

自分の事業状況や必要な資金額に合わせて、適切な方法を検討しましょう。

審査基準

ビジネスローンの審査基準は、金融機関やローン会社によって異なります。

いわゆる「独自審査」が行われており、審査する項目が同じでも、どの項目を重視するかは会社ごとに違うためです。

一般的には、次のような項目が確認されます。

  • 売上や所得の金額
  • 事業の継続年数
  • 今後も安定した売上が見込めるか
  • 借入希望額と返済能力のバランス
  • 他社からの借入残高や返済状況
  • 申込者本人の信用情報
  • 税金や社会保険料の滞納状況
  • 借入金の使用目的
  • 事業の実態を確認できるか

たとえば、現在の売上を重視する会社もあれば、事業の将来性や過去の返済実績を含めて判断する会社もあります。

また、個人事業主への融資を積極的に行っている会社と、法人への融資を中心としている会社でも審査の傾向は異なります。

審査に必要な書類

基本的には確定申告書と本人確認書類が必要です。確定申告書は、事業の売上や所得、継続状況などを確認するために使用されます。

そのほか、申込者の状況や審査内容によって、以下のような書類を求められることがあります。

  • 納税証明書
  • 所得証明書
  • 事業用口座の入出金明細
  • 売上台帳や試算表
  • 開業届
  • 事業計画書や資金繰り表
  • 営業許可証などの許認可書類

必要書類はローン会社や商品によって異なります。

また、原則書類不要としている商品でも、審査の過程で確定申告書や事業実態を確認できる資料の提出を求められることがあります。

まずは、確定申告書や本人確認書類は事前に用意しておくとよいでしょう。

審査にかかる時間

ビジネスローンは、公的融資や不動産担保ローンなど、ほかの資金調達方法と比べて審査が早くすみます。

早ければ申込当日に審査結果が分かり、即日融資を受けられる商品もあります。

ただし、審査が早く終わっても、契約手続きや金融機関の営業時間によっては、入金が翌営業日以降になってしまいます。

また、追加書類の提出や申込内容の確認が必要になると、想定より時間がかかることもあります。

急いでいる場合は、審査時間だけでなく、実際に入金されるまでの時間も確認しておきましょう。

銀行融資との違い

銀行が提供する事業者向けローンも、広い意味ではビジネスローンの一つです。

ただし、一般的に「ビジネスローン」という場合は、銀行以外のノンバンクが提供する、事業者向けの融資商品を指します。

銀行融資と比べて金利は高いですが、審査は甘いと言われています。一般的には銀行融資よりも利用しやすいでしょう。

一方で、借りすぎると返済負担が大きくなるため、返済計画を立てたうえで計画的に活用しましょう。

個人事業主がビジネスローンの審査に通りやすくする方法

審査に通りやすくする特別なテクニックはありません。審査基準を理解しておき、丁寧に事前準備を行っていきましょう。

やみくもに申し込むのではなく、事前に必要な準備を整えていきます。

借入金額を少なくする

借入希望額を必要最低限に抑えましょう。借入金額が大きくなるほど毎月の返済負担も増えるため、より厳格な審査が行われます。

300万円を希望して審査に通らなくても、100万円であれば融資を受けられる可能性があります。

また、300万円で申し込んだ場合でも、審査の結果「100万円までなら融資可能」と減額承認されることもあります。

ただし、希望額より少ない金額が必ず提示されるわけではなく、融資自体を断られることもあります。

そのため、必要な資金額をあらかじめ計算して、無理に高い金額を希望せず、返済可能な範囲で申し込みましょう。

クレジットカードやローンを期日どおりに支払う

事業の経営状況だけでなく、申込者本人の信用情報も審査されます。

クレジットカードやローンの支払いが遅延すると、返済能力に問題があると判断されます。結果、審査で不利になる可能性があります。

日頃から支払期日を守ることが大切ですが、現在延滞している場合は、ビジネスローンへ申し込む前にできる限り解消しておきましょう。

延滞を解消しても、その履歴が信用情報からすぐに消えるとは限りません。

それでも、延滞を続けたまま申し込むより、支払いを済ませた状態で申し込むほうが審査上は望ましいと考えられます。

対面のサービスを利用する

審査に不安がある場合は、担当者と対面で相談できるビジネスローンを選ぶのがよいでしょう。

店舗へ出向く手間はかかりますが、事業の状況や資金が必要な理由を直接説明できます。

また、必要書類や返済計画について相談できるほか、希望する商品が利用できない場合に、別の商品や資金調達方法を案内してもらえることもあります。

ただし、対面で相談したからといって、審査に通りやすくなるとは限りません。

審査基準そのものは変わらないため、状況を正確に説明して自分に合った方法を見つけるための手段として活用するのがよいでしょう。

業績や売上に合った商品を選ぶ

開業直後でも申し込める商品や、少額融資に対応した商品、不動産を担保にする商品など、さまざまな種類があります。

審査基準も異なるため、現在の業績や売上、資金の使用目的に合った商品を選ぶことが大切です。

例えば、業歴が短い場合は開業直後に対応した商品、売上が少ない場合は少額から申し込める商品を活用するといいでしょう。

銀行融資を受けるのが難しい場合は、多少金利が高くても、比較的柔軟な審査を行うノンバンクから必要最低限の金額を借りる方法もあります。

調達した資金によって売上や業績を改善し、返済実績を積めば、将来的に低金利の銀行融資へ切り替えられる可能性もあります。

個人事業主がビジネスローンを利用する際の注意点

ビジネスローンを頻繁に利用する方は多くないため、今回初めて申し込む方も多いでしょう。

特に個人事業主の方は、資金調達の経験が少ないでしょう。そこで、ビジネスローンを利用する前に確認しておきたい注意点をご紹介します。

銀行融資より金利が高い

ビジネスローンは、銀行融資より金利が高く設定されていることが多いです。

ただし、100万円以下の少額を短期間だけ借りる場合は、金利差による負担がそれほど大きくならないこともあります。

急いで資金が必要な場合は、金利の低さだけでなく、審査や入金の早さも含めて判断するとよいでしょう。

一方で、借入金額が大きい場合や返済期間が長い場合は、わずかな金利差でも支払う利息が大きくなります。

申込み前に借入金額、適用金利、毎月の返済額、返済期間を確認し、最終的な総返済額がいくらになるか計算しておきましょう。

必要以上の金額を借りない

利用する前に、事業に本当に必要な金額がいくらなのかを確認しましょう。借入金額が大きくなるほど、毎月の返済額や利息の負担も増えてしまいます。

「余裕を持って多めに借りておこう」と考えるのではなく、支払予定や入金時期を整理し、不足する金額だけを借りることが大切です。

資金繰り表を作成すると、必要な金額と返済に充てられる金額を把握しやすくなります。

また、利用限度額の範囲内で繰り返し借りられるカードローン型であっても、借りられる金額と無理なく返済できる金額は異なります。

必要なときに必要な金額だけを利用しましょう。

個人向けローンを無断で事業資金に使用しない

個人向けローンと、個人事業主などの事業者向けローンは異なる商品です。

個人向けカードローンは資金使途が自由とされていても、事業性資金への利用を禁止している場合があります。

利用目的に反して事業資金へ使用すると、契約違反となります。新たな借入れの停止や一括返済を求められる可能性があります。

個人向けローンと事業者向けビジネスローンを混同しないようにしましょう。

正規の貸金業者として登録されているか確認する

ビジネスローン会社の中には、貸金業者として登録されていない違法な業者が存在するのも事実です。

利用する前に、公式サイトに貸金業者の登録番号が記載されているか確認しましょう。金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」でも確認できます。

登録番号が記載されていても、他社の番号を無断で使用している可能性があるため、会社名や所在地、電話番号まで一致しているか確認しましょう。

初めて利用する場合は、知名度があり融資実績や運営歴が確認できる会社を選ぶとよいでしょう。